記憶

『メメント』を観た感想を記す。

• アイディア勝ち

　この映画はアイディア半分、それに合ったストーリーが半分で出来ている。結果から辿っていくスタイルは最初はよくわからなかったがすぐ慣れた。主人公と同様に誰が正しくて誰が嘘を吐いているのかわからないためスリリングで面白かった。強制的に主人公の視点に立たせるやり方は巧い。一応最初の場面がヒントだったような気がする。敵も味方もなかったけど。あと、サミー夫妻の注射のシーンがつらすぎる。

• 認知科学の知識

　記憶についても少し知識があったためより楽しめたのではないかと思う。「記憶は思い込みだ。記録じゃない」と主人公が言っていた様に、どれだけ強烈で忘れがたい記憶も、忘れることは無いにせよ得てしていい加減なものだ。いわゆるフラッシュバルブ記憶というものだ。
　現代は記録するためのツールは数多ある。ライフログという概念もある。ここに現在の自分の記憶を記録として残しておくことにする。いつか忘れた時のために。

Mement mori