サブスレッショルド領域の電流式とS値

MOSFETのサブスレッショルド領域の電流は拡散電流で,式に表すとかなり長い.

S値は以下の式で求められる.小さいほどスイッチング性能が良い.

S=\frac{dV_{D}}{d\log_{10} I_{D}}=\frac{\ln 10}{\frac{d(\ln I_{D})}{dV_{G}}}=\frac{kT}{q}\ln 10(1+\frac{C_{d}}{C_{ox}})

SOIではチャネル周辺には空乏層ができないと近似できるので,C_{d}=0と見なせて,S=\frac{kT}{q}\ln 10=60mV/decとなる.これが理論的な限界値となる.

(130603追記)

「拡散だから」電流がVgsに対して指数的に増えるのではなく,ソース及びドレインのキャリア密度により指数的に増えるといえる.
拡散というのはただ電流が流れる理由でしかない.
expがそのまま残るという意味で少しは関係してるとも言えるが.